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8/19/2022

      Chapter 8  >>


8. 浴室にて


抱きかかえられたままでテーブルまで連れてきていただき、今度は同じようにダグラス様の膝の上にちょこんとのせられてしまった。
体格が違いすぎるので完全に大人と幼児のような雰囲気になってしまっている……。


「おや、支部長いいですねぇ。私も抱っこしてみたいなぁ」
「残念だったなこればっかりは譲れねぇ。ゲイルとの話し合いで日替わりということになったんでな」
「本当は俺だけでいいといったんだが、ダグが全く譲らないからな」


おやぁ?もしかして私はずっと膝の上で食事をとることになるんでしょうか?
腕さえ治れば一人でも――と思ったもののご主人様が望まれるのであればそれに逆らうことはできない。


「今日のメニューは、彼にはパンを使ったミルク粥を用意してみました。チーズは食べられるかな?それとは別に香草や野菜たっぷり具だくさんスープです!もう固形物でも大丈夫だと思いますがさすがに肉食獣のお二人みたいに肉の塊は負担が大きすぎると思ったので薄めに切って、ジャムを使った甘めのソースをかけてみました。食べられそうなら食べてみてください」
「おお、俺らの分も用意してくれたのかすまねぇ」
「私もご相伴に預かりますので当然ですよ。私のメニューはほとんど彼のメニューと同じですが」


目の前には肉の塊を焼き、ソースをかけたものがどーんと鎮座している。
これは何人前あるんだろうか……?
そして私に用意して下さったという料理の数々はどれもとても良い匂いがしており、ごくりと喉が鳴ってしまった。


「よしよし、すぐに食わせてやるからな」


これまた朝と同じようにダグラス様がスプーンやフォークを器用に使って、私の口元へ次々と食べ物をはこんでくださる。
私はそれを一生懸命口に含み、咀嚼し、飲み込む。
本当にどれも素晴らしく美味しかった……。
パン粥はミルクとチーズの風味に程良い塩加減や香辛料の味がして、スープも野菜の旨味がしっかりとでている。
くたくたになるまで煮込んである野菜を含めば、口の中でほろほろと溶けていく。
薄切りの肉――肉を食べるなんて何年ぶりだろうか……何の肉かはわからなかったが口に含んで噛みしめると肉汁がぎゅっと染み出し、甘めのソースと肉汁が絶妙なバランスで本当に……本当に美味しかった。
目の前に出されたものを全部食べきるのは正直厳しかったが、残すのも失礼だと思いなんとか食べきる。
もうお腹ははちきれんばかりにパンパンだ。


私に食べさせながらもダグラス様は自分の料理も次々と口に運ばれ、私に用意されたものより二倍以上はあろうかという量をあっという間に完食されていた。
ご主人様も同じような量をあっという間に平らげられており、細身に見えたミンツさんも完食されたあとパン粥をおかわりされている。
私もおかわりをすすめられたがもう限界ですと必死に訴えて勘弁していただいた。


「少食なんですね」
「だよなぁ?成長期なんだしもっとがっつり食べてもいいと思うんだが、まぁ病み上がりだし仕方ねぇよな」
「俺たちほどとはいわないが、今の倍は食べるべきだな」


いや無理です。本当に無理です。
確かに今の身体年齢なら成長期……?ではあるのかもしれないがそれでもそんなに食べられるようになるとは思えない。
この世界の人はどうやら非常に健啖家らしい。


私は食べ終えたので感謝も込めて、両手をあわせてごちそうさまと心の中でつげて、頭をさげた。


「うーん。礼儀正しい、良い子ですねぇ」
「そういえば坊主、お前家族はいるのか?」


家族は――元の世界になら母がまだ健在ではあるがこちらの世界にはいない。
首を横に振る。


「そうかぁ……、家族がいれば家族の元へ帰してやることもできたんだがどうするかねぇ」
「まぁ、そういう話も含めて明日彼の呪いが解けてからゆっくり話あえばいいだろう」
「それもそうだな。坊主の声が聞けるの楽しみだなぁ!」
「私もギルドでお待ちしてますからね!絶対に連れて来てくださいよ。それでは、私はそろそろお暇しますね。後片付けはお願いしてもよろしいですか?家で多分飢えた獣が二人待ってると思うので……」
「おっ、おう……ここのところ連日すまなかったな。あいつらにもよろしく言っておいてくれ」
「いいんですよ。あの二人は甘やかすとキリがないんですから」


そう言い終えるとミンツさんは手早く身支度を整えて、自宅へと帰られたようだ。
私は何か後片付けを手伝えないかと思いキョロキョロとしていたのだがダグラス様が膝の上から離してくださらない。


「後片付けはゲイルに任せておけって、坊主の今の仕事は俺の癒やしになることだな」
「癒やしにはならなくていいが君は寛いでいていいからな」


私を膝の上に乗せていることがなぜ癒やしになるのかわからなかったが、この足と手ではろくなお手伝いも出来ないのは分かりきっている。
それならば迷惑はかけまいとおとなしく膝の上でダグラス様に頭や耳を触られて過ごしていた。
なんだか触り方が私の気持ち良いツボをおさえておられるようで正直気持ちよかった。


ご主人様が手際よく後片付けを終え、食卓にお茶を持ってきてくださる。
それもダグラス様が飲ませてくださったが紅茶に少しハーブを加えたような味がして飲みやすかった。


「そろそろ彼を風呂に入れてもいいと思うんだが……」
「ああ、そうだな。坊主風呂は好きか?」


風呂?風呂とおっしゃりましたか?私も日本人の端くれ風呂は大好きです!
奴隷として扱われているときは客に出される前に冷水を使って簡単に身体を洗うことはできたが温かいお湯にゆっくり浸かることなんて夢のまた夢だった。
もしかして入れていただけるのだろうか?と思い全力で首をぶんぶんと縦に振る。


「そうか!好きなら良かった。もう体力もある程度戻っただろうし、いいだろう。よっしゃ、おっちゃんと一緒に風呂入るか?」
「待て、ダグ。今日のお前の世話の中に風呂は入っていない。さっき確認したよな?だから今日は俺が彼を風呂に入れる」
「おまっ!?やけに素直に引き下がったと思ったらはなからそのつもりだったんだな!相変わらず見かけによらず腹黒ぇなお前さんは……!しょうがねぇ、今日は譲るが次は俺だからな!!」


ああ……。
やはり、お風呂もご主人様かダグラス様と一緒に入ることは確定らしい。
いや、だがこれはチャンスではないだろうか?
ご主人様の身体を洗わせていただいたり、髪を洗わせていただいたりすれば少しはお役に立てることをアピールできるのではないだろうか?
骨折している腕がうらめしいが片腕だけでもまずはなんとかなるだろう。


「よし、それでは風呂に行こうか」


ご主人様はもう慣れた手つきでさっと私を抱きかかえられると浴室があるのであろう方へ進まれる。
到着した部屋は日本と同じような造りで前室の脱衣所とその奥にガラス戸で仕切られた浴室があるタイプだ。
さすがにこの体勢のまま服を脱ぐことはできないのでその場に降ろしていただいた。
ご主人様の方へ向き直すと、まずはご主人様へ服を脱いでいただこうと左手を使ってなんとか届くところまでボタンを下から外していく。
なぜかご主人様は硬直してしまっていたが構わず、ご主人様のズボンと下履きに手をかけ脱いでいただこうと力を加えるとその手を掴まれた。


「だっ、大丈夫だ。自分でできるから」と断られてしまった。


逆に私が自分の着ている服(といっても上から大きなシャツを羽織っているだけなのだが)を脱ぐのに骨折している右手が邪魔で手間取っていると手を貸してくださり、すぽっと脱がしてくださった。


全裸になった姿をご主人様に見られるのは恥ずかしいという気持ちも少しはあったが、こちらの世界に来てからの経験のせいで今ではもう人前で裸になることにそこまで抵抗がなくなっている。


ただ、全裸になったご主人様はすごかった……。
上半身は最初に見ていたが、下半身もやはり鍛え上げられた太ももに長い足、そしてその股間にあるものが――とても太くて長い……。
体格に見合ったものがついているといえばそうなのだが、こちらの世界で何人もの男を相手にしてきた私がみても驚くぐらいの大きさである。


あんまり凝視しては失礼かなと思い、ご主人様を見上げると私を抱きかかえ浴槽へと入れてくださった。
なぜかご主人様も一緒に……。
ご主人様に後ろから抱きかかえる体勢で湯船に浸かっている、その事実に頭がついていかず混乱してしまう。


「湯かげんは大丈夫か?熱くないか?」と聞かれ大丈夫だとジェスチャーで答える。


しばらくゆったりと湯船につかり、私は何年ぶりかのお風呂に入るという行為を心の底から楽しんでいた。


「よし、身体を洗おうな」


浴槽から引き上げられると、タイル張りの床の上の小さい椅子に座らされてお湯をかけられた。
ご主人様が石鹸のような物を泡立てた手の平で私の全身をくまなく洗われる。
人に素手で身体を洗われるという今まで経験したことのない感覚と、ご主人様にそんなことはさせられないという思いで自分でやりますとジェスチャーで伝えてみる。


「洗いづらいからじっとしていてくれ」


問答無用で却下されてしまった。
おしりの穴の周りやまだ皮の被っているペニスも中までゆるりと洗われてしまい、羞恥心で顔が真っ赤になっていたと思う。
髪も洗ってくださり、全身をお湯で流されると浴槽に戻された。
すると、ご主人様が今度はご自分の身体を洗いはじめられる。
さすがにこれはお手伝いせねばと一生懸命浴槽から脱出しようとしてみたのだが中々出ることができず、出た頃には既にご主人様は全身を洗い終えられていた。


さすがにこのまま何もせずに終わってしまうのはまずい気がする。
役立たずと認定されたらまた追い出されてしまうのではないだろうかとどうしても不安になってしまう。
そして、数年の奴隷生活で身体に教えこまされた技術が私にまだ出来ることがあると伝える。


髪を洗い終え、水気を払っておられるご主人様の足元へと左足をかばいながらなんとか這いつくばって進む。
正面へ辿り着き、ご主人様の股の間で力なく垂れているペニスに手をゆっくりと添える
片手でしっかりと支えながら亀頭部分を口に含み、ねっとりと舌を絡ませる。
こちらの人間のペニスは皆大きく、とても喉奥までいきなり咥えることはできないものばっかりだったのでこういう時のやり方は身体に叩きこまれている。
自由な左手でご主人様の睾丸をやわやわと握りこみながら口に含んだペニスの亀頭部分にしっかりと舌を絡め、唾液を口いっぱいにためながら少しずつ少しずつ口の奥へと含んでいく。
ご主人様はどうだろうと上目遣いでご主人様を見上げると何故かご主人様は目を見開いた驚愕の表情で固まっておられた。
すると、次の瞬間ご主人様の表情が怒りにも似たものに変わる。


「何をしているんだ!?」


怒鳴られると両手で強く身体をつかまれ引き剥がされた。
見上げたご主人様の表情はやはり怒りの表情だった……。
ああ、怒らせてしまった……。
やはり、許しもいただかずにご奉仕をさせていただくのはまずかったのだろうか。
どうしよう、どうすれば許していただける……?
追い出されるのはいやだ、なら折檻の方がまだいい。
どうか食事抜きか鞭打ちですむようにと考えながら頭を伏せて震えているとご主人様の手が頭の上に来た気配がして反射的にビクッと震えてしまう。


「いや、声を荒げてしまってすまない。君に怒っているわけではないし、君が俺にそんなことをする必要はないんだ。言っただろう?君を奴隷として扱うつもりはないと……」


そして大きな手でまた頭を優しくなでてくださった。


「やはり、中々信用してもらうのは難しいな。悔しいが俺たち獣人が君たちヒト族にしてきたことを考えれば当たり前か……」


そう言われるとまた抱きかかえられ一緒に浴槽へとつかる。


「時間はかかると思うが少しずつでいいんだ。俺達を信用して心を開いていってほしいと俺もダグも本心からそう思っている。だから、今のように俺たちに身体を使って奉仕しようなんてお願いだから考えないでくれ」


そうおっしゃられると後ろからぎゅっとかなりの力で抱きしめられた。
私は自分が出来ることでご主人様のお役に立ちたいと思ったのは嘘ではない。
ただ、そこには身体を使ってでも何かできることを見せておかないとひどい目にあうのではないか?捨てられるのではないか?とご主人様たちを信用しきれなかった部分や打算があったのも本当である。
ご主人様の身体のぬくもりと腕の力強さを感じながらこの人達の言葉には嘘や下心がないのだとやっと気づくことができた。
ご主人様たちを今度こそ本当に信じてみようと私は混乱する頭を整理しながら心に決めた。


浴槽から上がってからはご主人様がなされるままに身体を拭かれ、服を着せていただいた。
その途中でダグラス様が迎えに来てくださり服をそのまま着せられると抱きかかえられ、寝室へと運んでくださる。
目覚めた時に寝ていた寝室の隣の部屋に運ばれた私はここがダグラス様の寝室で、今日自分が寝ていたのはご主人様の寝室だったということに気がついた。


「今日は、色々あって疲れたんじゃねぇか?久々の風呂でさっぱりしただろうし、さっさと寝ちまおうぜ。そういや、ベッドが2つしかないんでな、悪ぃが俺とゲイルの寝室で交互に一緒に寝てもらうことになるがいいか?ベッドは広いんで問題ないと思うんだが」


ベッドに寝かせていただけるだけでもありがたいのにとぶんぶんと首を縦に振っておいた。


「良かった良かった。それじゃ今日はおっちゃんと一緒に寝ような」


ぐりぐりと頭をなでてくださった。
ダグラス様はご主人様より更にスキンシップがお好きらしい。


ダグラス様は寝る準備をするなーとおっしゃって、上半身に着ていたシャツと柔らかい生地でできているスウェットのようなものを脱がれるとそのままベッドに潜り込んでこられた。
下履き一枚になったダグラス様は鍛え上げられた胸板やその上に綺麗に生えそろう柔らかそうな胸毛、引き締まった下半身など全身からフェロモン垂れ流しで少しドキドキしてしまった。


元々私の嗜好は、体格の良い男性に守られたいと思うタイプの同性愛者だったのでダグラス様もご主人様も正直いって好みのタイプである。
見た目だけで言えばこちらの世界の人間は体格も良く容姿も整った人間が多かったが、私のいた境遇で出会う人間に対して好意を抱くことは一切なかった。
ただ、お二人のもとで目覚めてまだ一日しか経っていないがその優しさや誠実さに触れ、それに加えて見た目も好みだとすれば多少ドキドキするのは仕方がないと思う。
いや許してもらいたい。


そんなことを考えているうちにダグラス様に後ろから抱きまくらの様にかかえられた。
背中に当たる柔らかな胸毛と頭のてっぺんにこすりつけられる顎に生えた無精髭のジョリジョリ感がなんとも気持ちが良い。
何年ぶりかのお風呂にゆっくりと浸かり、全身が清潔になった心地よさも相まってあっという間に私は微睡みの淵へと落ちていった。

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