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8/19/2022

Chapter 9  >>


9.初めての街


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そろそろ彼は寝入っただろうかとこっそり様子を見に行くと予想通り彼は穏やかな寝息を立てている。
その横で彼を後ろからがっしりとホールドし、幸せそうな顔で寝ているダグに若干イラッとしながらも細心の注意を払い起こす。


「ん……?なんだお前さんか。どうしたんだよ?」
「ちょっと話したいことがある。悪いが彼を起こさないようにリビングまで来てくれ」


そう告げると俺は部屋をでて、リビングへ向かい馴染みの商店で買った果実酒をグラスに注ぐと二人分用意しておいた。
この果実酒は果実の風味が濃厚なわりに甘すぎず、すっきりした口当たりで飲みやすい。
ダグのお気に入りの酒だ。


「なんだよ。せっかく坊主も寝入って気持よく眠ってたってぇのによぉ」
「すまん、だがお前にも話しておいたほうがいいと思ってな」


酒の入ったグラスを渡す。
何を話すのかと言えば、もちろん浴室での彼の行動である。
これまでさんざん奴隷としてそう躾られたのであろう。
俺のことを主人として見ており、必死に服を脱がそうとしたり、身体を洗おうと浴槽から這い出てきたこと。
ここまではまだ想定内だったがまさか俺のモノを咥えるという行為にでるとは思わなかった。
咥えられたことの衝撃とそのあまりの気持ち良さにしばらく身体が動かなかったが我に返ったあとつい怒鳴ってしまったことは反省している。
やはり、彼の中での俺は性奴隷として奉仕するべき主人なのかと思うと猛烈に悲しくなった。
どうすれば彼に信用してもらえるのかダグにも相談しておきたかったのだ。


「風呂に一緒に入った時の彼の行動についてなんだが」
「ほうほう、俺も一緒に入って身体洗ってやりたかったなぁ。なんつうかあの坊主はこっちの庇護欲っつうか保護者としての本能を的確についてくるよな?俺、自分がこんなに面倒見がいいとは思わなかったぜ」
「まぁそれは俺も同じ意見だが、本題に入るとするが服を脱がせてやってから一緒に浴槽に入って身体も洗ってやったんだ」
「なるほど、一緒に浴槽にな。それいいな、採用。」
「いいから話を聞いてくれ……。それで俺も身体を洗ったんだが洗い終えると彼が俺の……その……前にいたんだ」
「前に?」
「まぁ、お前相手に言葉を濁してもしょうがないからはっきりいうが彼が突然俺のモノを咥えて舌を絡めてきて、いわゆる性的な奉仕をはじめようとしていた」


手に持ったグラスをそのままにダグは驚愕したように目を見開いていた。


「もちろんすぐにやめさせたんだが正直ちょっとショックでな、彼にとって俺は奉仕するべき主人という認識なんだと思うと」
「まっ、まぁ仕方がないだろ。まだ、目が覚めてから一日目だぞ?それでお前は奴隷じゃもうないんだぞって突然言われても坊主には信じられ無いだろうよ。今までどれぐらい奴隷でいたのかもわかんねぇんだしな。痛みや恐怖で長い年月をかけて植え付けられたものをすぐにどうにかできるとは思わないほうがいいんじゃねぇか?」
「そうなんだが俺は彼にどう接するべきなんだろうか……?」


ダグがグラスを傾け一気に喉の奥へと酒を流し込み、大きくため息をつく。


「んー普通でいいんじゃねぇか?そんなに気負ってどうにかしようと思って接するとそれこそ上手くいかなくなると思うぞ。だから俺は、まずどろどろに甘やかしてやって好き放題させてやるつもりなんだが……。あの坊主、妙に硬いというか子供らしさを感じねぇんだよな」
「確かにそれは俺も感じているな、奴隷としての経験から緊張でそうなっていると思っていたんだが」
「んー、それを込みにしてもちょっとなんだかなぁ……?まぁ俺はそんなところも含めて気に入っているんだが、お前はどうなんだよ」
「お前はと言われても確かに守ってやりたいとは思うし、お前が言うように彼を見ていると庇護欲が掻き立てられてしょうがない。それこそ俺の熊族としての本能に働きかけてくるぐらいにな」


俺もグラスに入った酒をちびちびと口に含む。
爽やかな果実の香りが口の中に広がる。


「まじで?お前もかよ、俺も同じなんだよなぁ。獅子族としての本能がビンビンと坊主に反応しちまってよ。ただ俺らの本能ってお前らのと違ってちょっとやばいところがあるだろ?いやお前のもわりとやばかったな……。ぶっちゃけてどうよ?あの坊主のこと伴侶として迎えたいと思ってたりするんじゃねえの?」


ダグのとんでもない発言に酒を口に含んでいた俺は少しむせてしまった。


「なっなにを!?まだ彼はどうみても未成年だろう?成人していたらともかく……、いやまずは彼の意思を尊重することが第一だろう」
「ってことは坊主が成人して、坊主の意思を確認できたらしたいとは思っているわけだな」
「んぐっ……」
「いやいいんじゃねぇの?俺は思ってるぜ?坊主が成人するのを待ってからプロポーズしようって。本人の意思――は確認するつもりだが逃がしてやることはできねぇかもなぁ、まだ出会って数日で満足に話しもできてねぇのに俺の本能が『あの坊主は俺の獲物だ、絶対に逃がすな』って訴えてきやがるからな」


ダグはグラスに酒を雑につぐとまた一気にあおる。


「まぁ、お前となら同じ伴侶を持つのも悪くはないかもな」
「だろ?俺もそう思ってたんだよ。お前と坊主の子供なら俺はそりゃもう可愛がってやれる自信があるぜ」
「俺も同じだ。しかし、ここまで惹きつけられる相手というのが本当にいるとは思わなかった。彼はもしかして俺達の『番』なのかもしれないな」
「ああ、だといいなぁと俺も思ってるぜ?確認するためにもなんとしても魔力の封印を解いてやらなきゃなんねぇが、まぁそれも含めて明日だな。」


そう言うとダグは酒をグラスに軽く注ぎまた一気に飲み干す。


「ああ寝てるところ悪かったな」
「いや、俺も聞きたいこと聞けたし丁度良かったぜ。ところで坊主の舌はどうだったよ?」
「なっなっなっ!?何を言っている!?すっ、すぐに引き離したし、そんな……」
「くっくっく、悪ぃ悪ぃ。ついからかっちまったよ、しかし想定通りの反応だなぁ」
「分かったならもう寝ろ、明日は朝早くから動くぞ!」
「へいへい、坊主の抱きまくらでぐっすり休ませてもらいますとも」


そう言いながらダグは部屋へと消えていった。
最後の軽口も俺の気持ちを楽にしてくれようとしてのことだとはわかっているがついムキになって反応してしまう。
だが、正直彼に自分のモノを咥えられたときの壮絶な快感は思い出すだけでもゾクリとしてしまう。
あのとき理性が強烈に働かなければ彼の頭を押さえつけて喉奥まで無理に押し込んでいたかもしれない……。
俺の中の凶暴な感情が彼を傷つけることがないようにこれからますます自制心には頑張ってもらわなければならないだろう。
ただ、ダグと話せたことでだいぶ俺の気持ちは軽くなっていた。
明日、彼の呪いが解けてからが楽しみだ。
そう思いながら俺も自分の部屋へと戻り、ベッドに潜り込んだ。




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目が覚めると後ろからかなりの力で抱きしめられており、自分の頭上からは寝息のようなものが聞こえている。
これはすっぽりとダグラス様に抱き抱えられているのだろうが、その締めつけ感が嫌ではなくとても心地よかった。
時間はわからないが朝日はのぼっているようで窓の外は明るくなっており、もぞもぞと動いているうちにダグラス様も目を覚まされた。


昨日と同じように、抱えられ、食事をとらせてもらい、身支度まで整えていただいた。
黒髪黒目はこの世界で珍しい上に耳も尻尾もないヒト族なので目立つのを避けるためにと告げられ、少し深めのフードのあるコートのようなものを着せられた。
移動手段はどうされるのかと思っていたのだがやはりご主人様の腕の中に抱きかかえられての移動だった……。
そろそろ慣れないといけないとは思いつつも気恥ずかしさはなくならない。
初めて目の当たりにするこの世界の町の様子が気になり、つい周りをきょろきょろと見回してしまう。


町を行き交う人々は皆、地球では決して見かけないような色とりどりの髪色をしている。
獣耳が生えていたり尻尾がある人が多く、中には肌にウロコのようなものをつけている人たちもいた。
ああ、やはりここは知らない世界なんだと改めて感じる。
町並みは、中世ぐらいの西洋風という佇まいで高層建築などは一切なかった。
通りに沿って市場や商店が立ち並んでおり、客引きの声が飛び交う中を色々な食べ物の匂いが漂っている。
市場やこういった商店が主流ということはあまりこの世界の文明レベルは高くないのか?と考えたが、昨日入れていただいたお風呂の設備はお湯もふんだんに使うことができたし薪で沸かしているような様子もなかった。
そしてシャワーも存在している。
どういった原理で動いているのかはわからなかったがガスや電気といった感じではなかったのがとても不思議だ。


「どうした坊主?町が珍しいのか?」


そういうわけではなかったのだがどう応えて良いかわからずとりあえずうなずく。


「なるほどなぁ、ってことはどっか地方のヒト族がいる場所からさらわれてきたのか?」


違います、異世界からです。とは伝えられないので首を横に振る。


「なんだ違うのか?まぁ、今聞く必要もねぇかもう少ししたらきっと喋れるようになるだろうしな」


また、ダグラス様に頭をグリグリとなでられる。
しばらく歩いていると露天に並んでいる果物らしきものの中に一際惹きつけられるもの見つけてしまった。
見た目はさくらんぼなのだがその実の色が原色に近い緑をしており、つい目がそちらをむいてしまう。
どうやら私がそれを食べたがっていると勘違いされたのかご主人様が購入し、食べさせてくださる。
房からちぎった一粒を口に入れてくださったので恐る恐る噛みしめてみると爽やかな酸味の中に濃厚な甘みの広がるとても美味しい果物だった。
ありがとうございますの気持ちを込めてご主人様を見つめて頭を下げる。


「キールの実が好きなのか?他にも食べたいものがあったら遠慮なく言ってくれ」


咀嚼し飲み込むごとにご主人様がキールの実を口に入れてくださる。
美味しいのだがそう次々とこられると……と思いながらも拒むことはできず食べ続けた。
ダグラス様も俺も俺もーとおっしゃられてご主人様の持っているキールの実を何個か持ち、私の口にまた次々にはこんでこられる。
なんだろう?この感覚は親鳥から餌をもらう雛の感覚といえばいいのだろうか……?
餌付けされているような気持ちになりながらもなんとか買っていただいたキールの実は完食した。
朝食もしっかり食べていたのでもうお腹はパンパンになっている。


「俺達の家があるところが西地区で今歩いてきた通りも同じ西地区だ。今から向かうのは南地区であまり治安が良くない場所なので一人で行かないようにな。東地区に俺たちが働いているギルドがあって、北地区は貴族達が住んでいる高級住宅街だ。まずは、東と西の町並みを覚えておくといい。」


簡単に町の説明などをご主人様から受けている間にどうやら目的地についたようだ。

Author Notice


文章内でうまく説明することができないのでこちらで補足的に……
このあたりを上手く組み込めないド素人です


熊族の本能:守るべきものに対する過剰なまでの庇護欲、自分が守るべきものと認識したものに危害を加えるものに対してはどのような残酷な仕打ちも躊躇なく行う。過剰な庇護欲が暴走して、誰にも『番』を見せたくないという思いから監禁行為に走ることもある。『番』に対しては異常なまでの執着心をもつ。極端な方向へ進むとまさにヤンデレの鑑に


獅子族の本能:自分の獲物『番』を見つけるとどのような手を使ってでも自分のものにしてしまう。決して逃がすことはない。自分のモノにならないのならいっそ殺して食べてしまおうと思うぐらいの危ない一面もある。『番』を自分のものとして甘やかし、可愛がりたいという気持ちの反面、『番』を自分の獲物として認識してしまうことがあり、捕食者として限界まで貪ってしまいたい、責め苛んで自分のために流す涙の一滴まで自分のものにしたい、肌に歯をつきたて所有印をつけ流れる血すら舐め取りたいという潜在的な嗜虐的嗜好あり。

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