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8/19/2022

    Chapter 5 >>


5.看病 その2

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ゲイルをギルドへ向かわせることに成功し、坊主の看病を俺がすることになった。
ゲイルにしては珍しくなかなか折れなかったが結果は俺の大勝利である。


まずは、坊主に食べさせてやるものを準備してやらねぇとなと思いつつも正直いって俺もゲイルも料理に関しては空腹が満たされればいいぐらいの感覚の持ち主なので味は期待できねぇ。
意識もないしまぁいいかと昨日ミンツが使った一角兎の残りを煮込んで出汁をとり、適当に調味料をぶちこんでその辺の野菜をいれて煮込んでみた。
片腕での作業は、効率は悪いがもう慣れたもんだ。
ほとんど材料は同じはずなんだがなんでこんなに味がちげぇんだろう?と思いつつも妥協に妥協を重ねてとりあえずスープは完成した。


ちらっと坊主の様子を見に行ったら特に変化はなく穏やかな寝息をたてているようだ。
そんなに広くもない家の中での用事を済ませていると丁度良い時間になっていた。
俺はそこらへんにある固くなったパンと干し肉で昼食を済ませて、坊主の元へ向かう。


「坊主、飯の時間だぞー」と声をかけてみたがまぁ起きてはこないわな。
そして、ここで昨日のゲイルの発言を思い出したんだが。


「口移しって言ってたよなぁ……」


まぁ、意識のないやつに物を飲み込ませようと思ったらそうするしかねぇんだがなんとも悪いことをする気分になっちまうな、坊主の顔を見てると。
俺は左腕がねぇから坊主を支えてやることができねぇ。
となると坊主の背中にクッションを入れてやって軽く座らせるような体勢にしてから飲ませてやるしかねぇな。と手早く坊主の体勢を整えてやって自分の口にスープを含み、坊主の顎を右手で持ち上げくいっと上を向かせる。
指で少しだけ口を開かせ、俺の口で坊主の小さい口を覆う。
坊主がむせないように気をつけながら少しずつ舌を使ってスープを流し込んでやる。
坊主が少しずつスープを飲み込むのを確認しながら、何度か口移しで飲ませてやったんだが。


「なんだこれ、すげぇ気持ちいい……」


ヒト族とのセックスが俺たち獣人にとって絶大な快感をもたらすことは聞いていたがまさかこれほどとは――まさか、口での粘膜接触でこんなに気持ちいいとは思っても見なかった。


「んーこれは悪いことをしてる気分になっちまうな」


独り言を言いながらも止めることは出来ず、ついついスープを飲ませつつも坊主の舌に俺の舌を絡めてみたり、坊主の歯列をなぞってみたりと悪戯をしてしまう。
正直ぞくぞくするぐらい気持ちが良かった。


まずいな、もうこの坊主にどっぷりとハマっちまってる気がするぜ。
さすがにこれ以上はまずいと俺の理性が訴えてきたんで残りのスープと薬湯を飲ませてやり、傷口の処置も手早く終える。


「はやく元気になってその目で俺を見てくれよ、声も聞きてぇなぁ」


そうして坊主の寝顔を眺めているうちに随分時間が経っちまったようで、ゲイルが帰ってきた。
ミンツを連れて。


「いやぁ、昨日はああ言ったもののやっぱり気になっちゃって来ちゃいました!おや、随分顔色が良くなってきましたね。明日か明後日ぐらいには目が覚めるかもしれませんね、骨が折れてる部分は目が覚めてからまたどうするか相談しましょうか」
「そうだなぁ、まだ体力はそんなに戻ってねぇだろうからそれで良いだろう」


坊主の診察を簡単に終えたミンツは、キッチンへと向かい坊主と俺達用に料理を作り始める。


「なんですかこのスープは!!!食事というものは食べられればいいというものではないんですよ!まったくもう……」


ぶつぶつと俺が作ったスープをけちょんけちょんにけなしながらも手早く、肉や野菜、香草を使って滋養のあるスープを作って帰っていった。
味見してみたが俺の作ったものとは比べ物にならなかった……。


その後はゲイルとギルドの仕事の打ち合わせを簡単に済ませ、食事を摂って坊主にも昼間と同じようにスープと薬湯を飲ませてやり、傷口の処置も済ませておいた。


「そんじゃ、今日は俺が坊主に付きそうからな」
「別に今日も俺で問題はないのだが……」
「い い か ら 俺に任せておけって。な?」


ゲイルはぶつぶつと何やら不満そうだったがこればっかりは俺も譲ってやれねぇと押し切ってやった。
寝る準備を終えて寝室に向かい、坊主の横へと身体を割りこませる。
丁度俺が寝ている方向とは逆の方へ身体を丸めて寝ていたのでその背中を覆うように身体を密着させて、頭をぐりぐりとなでてやる。
坊主からはなんとも言えない熟れた果実のような甘い匂いがほのかに香ってきやがって、俺の理性の糸に揺さぶりをかけてくる。
包帯の隙間から見える首筋に思い切り噛み付いて俺の印をつけてやりてぇ衝動に駆られたほどだ。
こいつの血の味はどんな味がするんだろうか?なんて不穏なことも考えちまったがなんとか理性が勝利をおさめ、事なきを得る。
坊主の状態が安定していることを確認すると俺も目を閉じ、眠りについた。


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彼のことが気になってしまい、普段より早く目が覚めてしまった。
彼がダグと二人きりで眠っていると思うと、胃のあたりがムカムカしてしまうがこれは一体なんなのだろうか?
とりあえず彼の様子を見るために俺の寝室へと向かう。
そこにはダグに後ろからがっちりと片腕を腰に回され、眠っている彼の姿があった。
思わず二人のもとへ駆け寄りダグを彼から引き剥がす。


「ん……あ?なんだよ?まだ起きるには早くねぇか?」
「くっつきすぎだ。彼が苦しがっているだろう」


別に苦しがってはいなかったがそういうことにしておく。


「ん?そうか、つい抱き心地が良くてなぁ。いやぁ、良い抱き枕だったわ」
「看病するために添い寝をしていたんじゃなかったのか……?」
「いっいや、もちろん様子はしっかりと見ておいたぜ?だがよぉ、なんだか妙に良い匂いはするわ、抱き心地は良いわで」
「とりあえずもう起きたらどうだ」
「そうだな、早めに出てギルドの仕事さっさと片付けてくっかな」


ダグがベッドから立ち上がり身支度を始めたので俺も部屋を出て、身なりを整え朝食の準備を始めた。
二人で軽い朝食をとりギルドに行くダグを見送る。


先日と同じように彼にスープと薬湯を飲ませてやり、身体の様子を伺うとまだミミズ腫れなどは残っているが内出血や生々しい傷跡は既にその痕をわずかに残すだけになっておりほっとした。
その後は、近くの店まで買い出しにでかけ、少なくなった食料の補充と彼が起きた時に着ることができるような服をいくつか購入しておく。
実際に着て選ばせてやりたかったがそれは目が覚めてからでもいいだろう。
家に戻り彼への恒例となった処置を全て済ませ、家の中の用事をしているとダグが今日もミンツと連れ立ってギルドから戻ってきた。
ミンツも相当彼のことが気になっているらしく、昨日も俺が帰る前から既に準備万端で待ち構えていたからな……。
ミンツはまた彼の様子を観察し、もう大丈夫ですね。と太鼓判を押してから料理を手早く作り、帰っていった。


初日と変わらず諸々の用事を済ませるとさっさと寝てしまおうと彼の元へとむかい、今度は腕枕をしつつも両手で彼の頭を抱きかかえる。
胸板に頭が当たるような体勢で包み込んでやり、あのさわやかな匂いを嗅ぎながら夢の世界へと旅だった。

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